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建築について
中村キース・ヘリング美術館
コンセプト
当美術館はキース・ヘリングの貴重な作品を展示することを目的としているだけでなく、彼が発したメッセージを体感していただけるよう、建築家 北川原温の設計により、「光と影」を表現した空間を創出しています。
作品をご覧いただくと同時に、空間体験を通じてキースの考えたことや人生、そして彼が駆け抜けた時代について想いをめぐらせ、来館される皆さんに「希望」と「夢」というエネルギーを感受していただきたいと考えています。
自然と都市
-インタラクティブなコンテクスト-
ニューヨークで生み出されたキース・ヘリングのアートは強い都市性を帯びたものが多く、敷地の小淵沢の緑が連なる自然のイメージとは乖離してみえます。
しかし、自然が宿すエネルギーや縄文時代の生命力と、都市が発するエネルギーが、時間や場所を越えて強く通ずる力強さを融合する場所として、美術館を計画しました。
また、自然と都市というインタラクティブな関係によって、作品をより純粋に感受し、自然をより優しく美しく見せるという、人を純化させるような美術館にしたいと考えました。
小淵沢の持つ自然の形質・生命力
-プリミティブなデザイン-
この美術館は現在ある環境や自然に調和するだけではなく、小淵沢の地が内包する自然のエネルギーや縄文時代や古代活火山の生命力を表出するような佇まいを考えました。
白い箱状のヴォリュームの上に乗せられた赤と白が入り混じった量塊は、八ヶ岳の噴火によって削り取られた火口のイメージや縄文土器の紋様のイメージにもつながりますが、 むしろプリミティブな生命のエネルギーを抽象的に表現したもので、美術館を表象するひとつのシーニュ(記号体)のような存在です。
ランドスケープとしての建築
-帯化する空間、風景化する帯-
約36,000平米の敷地には沢が流れ、敷地内にはナラやヤマザクラ、アカマツやカラマツ等の大木が自生しており、豊かな森を形成しています。
敷地内には土地の形質に合わせて無数の「帯」が存在しています。森や広場、建物というスペースやヴォリュームを帯状につなぎ合わせることで、 単なるヴォリュームとして美術館が存在するのではなく、敷地全体に広がる連続的なランドスケープの一部として計画しました。
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takumi ota
北川原温  Atsushi Kitagawara

北川原温 Atsushi Kitagawara

建築家 東京芸術大学教授 北川原温建築都市研究所主宰

東京芸術大学在学中に国際設計コンペで1位となり、20代から設計活動を始め、これまでに多くの作品が世界に紹介されています。マラルメの詩をモチーフに建築や都市を構想するなど個性的な建築家として国際的に知られています。地域の文化や経済の振興に貢献する建築や都市の設計を追求し、想像力溢れる仕事を続けています。また、学会や研究機関の委員、建築賞などの審査委員をつとめ、世界各地から建築展、講演の依頼を受け、今最も注目されている建築家のひとり。