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2025年にキース・ヘリング財団より寄贈を受けて新収蔵したこのポスターは、1989年にシカゴで開催された「シカゴ・ヴォーガーズ・ボール」のために制作されたました。力強くポージングを決める人物が印象的です。
「ボール」とは本来「舞踏室(Ballroom)」を意味する言葉で、1970年代以降のニューヨークのアンダーグラウンド・カルチャーにおいては、LGBTQ+コミュニティによるファッションやダンスのコンテスト、あるいはそのコミュニティそのものを指すようになりました。中でも #ヴォーギング と呼ばれる独自のダンス様式では、参加者たちが創造性と美しさを競い合いながら自己表現を行います。
ヘリングはこのポスターを通じて、エイズ・エピデミックの時代に社会的に困難な状況に置かれていたLGBTQ+や黒人、ラティーノのコミュニティへの連帯と祝福の意を表しました。
🌈プライド月間
毎年6月に制定されている「プライド月間」は、クィアの解放をめざす闘いに敬意を表するものです。その原点は、1969年の「ストーンウォールの反乱」にあります。この反乱は、マーシャ・P・ジョンソン、シルヴィア・リヴェラ、ストーミー・デラヴェリエといった有色人種のトランスジェンダーやクィアの人々によって主導された抵抗の行動でした。彼女たちの勇気が、今も続く世界的な運動の火種となったのです。
キース・ヘリングのレガシーもまた、その反骨精神、愛、そして可視性への意志とともに生き続けています。彼の作品はコミュニティと切り離されたものではなく、まさにコミュニティそのものでした。
本展示は、クィア・ヒストリーを常に形づくってきた文化と人々を讃える、私たちの取り組みの一環です。