2014年の展覧会

《CHAOS TO HOPE》展 “Untitled Aug.15th,1988”

2014年3月21日〜2015年1月5日

後援:アメリカ大使館

株式会社メディカル・プリンシプル社

『「システムの一部になろうという気持ちがないんだったら、美術館や学芸員から無視されたからって気にすることはないじゃないか」というひともいるのだろうね。でも、本心を言えば、いつか必ずその日がくると信じているんだ。認められるときがね。ぼく自身はこの世でその喜びを味わうことはできないだろうけど、ぼくがいなくなったあとで、いつかそうなると思っている。」キース・ヘリング 1989年

キース・ヘリングが1990年に31歳という若さでこの世を去ってから24年。時代が変わり価値観の多様性をみせる現在においてもなお、その作品は世界中に愛され続けています。本展では2015年のリニューアルオープンに先駆け、当館収蔵作品のハイライトを展観します。ヘリングの活動の全貌を追いながら、彼が確立した世界観を再考すると同時に、いつか必ず認められる日がくると信じていたヘリングが、生前に成し得なかった夢を実現する試みでもあります。

館内は、建築家北川原温建築による《暗闇》から《希望》へというコンセプトの空間からなり、ヘリング芸術に更なる深度を与えます。80年代のクラブ文化の一片を象徴する闇のスロープでは、日本の若手アーティストによる作品を展示。今という時代感を表した作品を介入されることで、新たなヘリングの魅力を探ります。《暗闇》の展示室では、死を目前にして制作された「ブループリント・ドローイング」全17点を初めて一堂に公開。ヘリング自身がタイムカプセルと称したナラティブな作品コンセプトを暗闇の空間で時空を超えて自由に紐解いていきます。中核にあたる展示室《ジャイアントフレーム》では、1978年から80年代初頭の作品に焦点をあて、活動の原点となったサブウェイ・ドローイング、名門美術学校SVA時代に制作された映像作品を上映。綿密なドローイングからはヘリング芸術の萌芽を垣間みることができるでしょう。ストリートを出発点にあらゆる手法を模索し続けたヘリングの活動の軌跡をたどります。そして《希望》の展示室では、人生最後の個展のために制作し、アートに希望と生命を託した大作・新収蔵作品「Untitled, Aug. 15th, 1988」を初公開します。当館コレクションのハイライトを是非ご高覧ください。  また、美術館の野外では、シリーズの企画展キュレーターズ・セレクションの一貫として日本のストリートアートを牽引するグラフィティライターにより、拡張工事中の仮囲いに壁画が制作されます。ヘリングがパブリックとのコミュニケーションとして選んだ最高のキャンバスが、現代アーティストによって蘇ります。

*2015年《 美術館を超えた美術館 》をテーマに、展示会場を拡張し大々的にリニューアルオープンいたします。数々の新しいコレクションもお披露目いたします。進化する小淵沢アートヴィレッジのスピリットの根源となる美・自然・食をご満喫ください。

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