2017年の展覧会

中村キース・ヘリング美術館開館10周年記念展 キース・ヘリングと日本:Pop to Neo-Japonism

会期:2017年2月5日(日) → 2018年1月31日(木)
後援:アメリカ大使館、山梨県、山梨県教育委員会、北杜市、北杜市教育委員会
協力:キース・ヘリング財団、公益財団法人多摩市文化振興財団、ぴあ株式会社、川島義都、CHINO、GENXY

<キース・ヘリングと日本:Pop to Neo-Japonism>

2017.02.05 – 2018.01.31

80年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・ヘリングの作品を展示する世界で唯一の美術館として出発した当館は、2017年に開館10周年を迎えます。本年、作家の日本での活動にフォーカスした記念展を開催いたします。
1983年初来日したキース・ヘリングは、屏風や掛け軸など、日本特有の家具や道具に墨を用いたドローイングを制作します。禅を通して触れた東洋思想や文化、そして書は、以前より作家に影響を与えていたといいます。また来日当時の、好景気に沸いていたエネルギッシュな東京という都市は、ヘリングにとってエキゾチックで、大きな刺激を与えたに違いありません。ヘリングを一躍有名にした地下鉄の落書き《サブウェイ・ドローイング》、そのコンセプトを継承した革新的なアートプロジェクト〈ポップショップ〉での成功後、1988年には青山に〈ポップショップ・トーキョー〉をオープンさせます。連日長蛇の列をつくり、一大センセーションとなった店では、自身のスタイルと日本文化を融合させたユニークなアイテムが多数生まれました。本展では、器や扇子など代表的な作品を紹介し、日本文化をポップに昇華させたヘリングの自由で多様な世界観を提示いたします。1988年に東京で制作された「招き猫」は世界で初公開となる大変貴重な作品です。
また1987年東京多摩市のパルテノン多摩で制作された壁画を期間限定で特別展示いたします。約500人の子どもたちと共同制作された作品からは、言語を超えアートでの交流を試みた作家の活動の軌跡を追うことができます。
「僕のプロデュースするものは”ポップ”ということをコンセプトにしているから東京でもNYでも同じものが受け入れられるはずなんだ。今の日本人って西洋の方ばかり向きすぎていると思う。アメリカっぽくなりたい、西洋っぽくなりたいってね。でも日本の伝統文化をポップに表現すれば、それはアメリカ的なコピーをしたものより、素晴らしいものになると思う。」—1988年 キース・ヘリング

 

<パトリシア・フィールド アート・コレクション:パトリシア・フィールドの世界>

2017.07.01 – 11.19

ブティック『パトリシア・フィールド』はシーンスターと呼ばれるミュージック・カルチャーシーンに属する者や、セレブ、LGBT、そして世界中のファッショニスタが集う、メルティングポットとして存在していた。マドンナ、デボラ・ハリー、バスキアも常連だった。1983年イーストヴィレッジのショップではキース・ヘリングがペイントした初めてのTシャツが販売された。「ファッションは着るアート」だというフィールドと「アートはみんなのもの」というヘリングのコンセプトの完璧なコラボだった。また、今は無きCBGBや、伝説のポエトリークラブに隣接する、ブティックのもう一つの大きな特徴は、そのアートコレクションだった。絵画、写真、ポスター、彫刻、版画によるアート作品がファンキーなショップの壁を覆う。ほとんどが無名アーティストの作品だが、煌びやかな衣装とともにそれぞれのパワーを炸裂させていたのだ。

フィールドの作品は、ショップのほか、オフィス、倉庫や自宅に保管されていた収蔵品300点にも及ぶ。コレクションは自身が蒐集してきた作品だけでなく、アーティストやデザイナー、ファンなどが『パトリシア・フィールド』に魅了されて制作した作品の蓄積でもある。「アートコレクションは私のこれまでの50年間のキャリアと思い出のすべて。ハウス・オブ・フィールドの宝もの」だとフィールドが言うように、作品が個々にストーリーを孕んでいる。半世紀にわたって親しまれてきたブティックは2016春に閉店されたが、このアートコレクションの主要作品190点が中村キース・ヘリング美術館に収蔵されることになった。これまでダウンタウンのクラブシーン、ストリートアート、ミュージックシーン、そしてイーストヴィレッジのアンダーグラウンドカルチャーと共にスタイリングされてきた、いわゆるブティックアートが「パトリシア・フィールド・アートコレクション」として新たに展開することとなる。2017年夏に同館にて開催される展覧会ではパトリシア・フィールドの個性的なヴィジョンと、ファッションムーヴメントに多大な影響を及ぼしてきた『パトリシア・フィールド』の起源(オリジン)を探求するものだけではなく、そのユニークなコレクション自体に注目する。作品のほとんどは、往来のアートの傾向やモードに左右されず、名声を目指すことでもなく、自由に表現され、まさに*アート・ブリュットを反映させる。それぞれのアーティストの内面から湧き上がるパワーを、キース・ヘリング芸術と合わせて体感したい。

(*1945年にデュビュッフェが命名したアウトサイダーアート)

<ワードプレイ|ワセニ・ウォルケ・コスロフ ー言の葉の戯れーエチオピアのアーティスト ワセニの世界>

2017.11.23 – 2018.04.15

Wosene Worke Kosrof (ワセニ・ウォルケ・コスロフ)は、1950年エチオピア出身。サンフランシスコ在住。アフリカ現代美術を代表する画家の一人だ。70年代以降、日本を含む、世界各地の美術館や画廊で数多くの展覧会を開催している。

ワセニの絵画の特徴は、その鮮明な色使いとリズミカルな線、そしてエチオピアの主要言語の一つであるアムハラ語の文字を融合させた、抽象的な構成だ。中でもWordPlay と名付けられたシリーズは代表的な作品である「ワードプレイ」という通り「ワード=言葉」にフォーカスしたものだが、アムハラ語に限らず、あらゆる言語が記号化、あるいは絵画化されており、あたかも音符のように画面に表現される。その背景にはチャーリー・パーカー、マイルス・ディヴィス、エラ・フィッツジェラルドといったジャズ音楽や現代エチオピア音楽などがあるという。一度ワセニの画面に引き込まれると、心の奥に誰もが抱く原風景が無限に広がり、重なる色の音が心に響きわたる。

本展では、未発表の最新作を含め21点を披露する。言語や言葉、音楽、日常を素材とし、文化や宗教を超えて人間の心に深く訴えかけるワセニのアートの世界に触れると同時に、改めてヴィジュアルアートの可能性を探る。

関連企画≫

2017年11月26日(日)

11:00~ 第9回中村キース・ヘリング美術館国際絵画コンクール授賞式

14:00~ 子どもたちとのワークショップ (詳しくはこちら

16:00~ アーティストによるギャラリーツアー

展覧会概要≫

会  期 2017年11月23日(木・祝)-  2018年1月31日(水)

開館時間 午前9時~午後5時

入  場  料 一般1,000円、シニア900円、学生700円、13歳~18歳500円

団体割引・障害者割引あり

会  場 中村キース・ヘリング美術館 アクセス

共  催 シミックホールディングス株式会社

協  賛 全日本コーヒー協会

同時開催≫

中村キース・ヘリング美術館開館10周年記念展
「キース・ヘリングと日本:Pop to Neo-Japonism」
2017年2月5日(日) -2018年 1月31日(水)

OPEN